とにかく楽しかった東京マラソン2021体験記【Vol.2レース編】

「のんびり満喫!とにかく楽しかった東京マラソン2021体験記【Vol.1練習編】」に続き、Vol.2はレース編です。
練習編を読まれていない方はこちらをご覧ください。

東京マラソンEXPO、そして感染防止対策

東京マラソンEXPO会場にて


 大規模な都市型マラソンでは、レース直前の数日間、大きな施設にランナー受付会場を設けます。ランナーは、そこで当日のゼッケンやレースに関する資料、参加賞等を受け取ります。これを「EXPO」と呼んでいます。EXPO会場には、大会スポンサーやEXPOだけのスポンサーが出展していて、記念品やレース当日用のシューズ、ウエアを販売したり、記念撮影ができるようなコーナーも設けられています。物販コーナーはランナー以外も入場することができますし、数万人のランナーが集う場所ですから、スポンサーにとっては商売の絶好の機会ですね。
東京マラソン2021では、感染防止対策として今回、アプリ「GLOBAL SAFETY」による毎日の検温・体調チェックと直前のPCR検査が義務付けられました。
EXPO入場時に「GLOBAL SAFETY」の画面をスタッフに見せて、体調に問題がないかどうかの確認をしてもらい、事前に唾液を採取したPCR検査キットを提出します。
PCR検査の結果は、当日の夜中にアプリで知らされます。
これがなかなか緊張するもので…筆者は当日、結果が出るまで全く眠れませんでした。聞くところによると、レース前日の夜中に医師から電話があって、陽性を伝えられた方もいたとか。ルールとしてわかっていたこととはいえ、何とも言えない気持ちになりました。走る気満々ということであるならきっと自覚症状もなかったことでしょうから、直前に陽性になってしまった方はさぞかし悔しく悲しい思いをしたに違いありません。陽性になってしまった方は、出走権は生きているので、次回は必ず走れますように!

いよいよレース当日!西新宿へ

雲ひとつないさわやかな青空と都庁

 スタートブロックは違うものの、一緒に走る夫とともに西新宿へ。ランニング仲間と待ち合わせして一緒に写真を撮ろう!と言っていたのですが、実際にはブロックごとに細かく入場口が分かれていて、自由に行き来できなくなっており、夫とも早々と別れ、友人たちとも会えませんでした。
 自分のブロックに行くと、スマホでの本人確認と手荷物検査がありました。気温は12,3度。日向にいれば暖かく、あまり寒さを感じません。トイレを済ませ、ゆっくりストレッチしながらスタート時間を待ちます。
ちなみに今回、当日の手荷物預かりがなかったので、筆者はゴールすぐそばのランニングステーション「MARUNOUCHI Bike&Run」の手荷物預かりサービスを予約し、前日に預けに行きました。
「MARUNOUCHI Bike&Run」 https://bike-run.jp/

スタート!友人のサポートに元気が出る!

スタート地点の都庁前

 やっと走れた東京マラソン。勝手知ったる東京都内。やはりどうしてもハイテンションになります。前半はペースもよく、不安よりも楽しさが勝っている時間帯。
今回、食べ物系のエイド(給食)がないことはわかっていたので、しょっていたザックにゼリー類と塩タブを入れ、すぐに補給できるようにしていました。
また、友人にスペシャルサポートをお願いしていて、所々でコーラと笹かまぼこ、フルーツをいただきました。

給食だけでなく、友人の笑顔と「頑張って」の声も強力なエネルギーに

 レース中の給コーラは甘くて、しゅわっとしたさわやかな味が疲れを軽減してくれます。ビタミンたっぷりのフルーツもうれしい。かまぼこは、以前富山マラソンを走った際、塩分とタンパク質の補給でとても助かったし、適度に水分も含んでいるから食べやすくて美味しかったので、リクエストしました。友人はなんと、食べやすいように、一口サイズに切ってラップにくるんでくれていました。こんな気持ちが本当にうれしくて、元気になるんですよね。
長い時間走る初心者ランナーにはとにかく補給が大事なので、もし施設エイドを友人にお願いできる環境なら、コーラ、フルーツ、かまぼこはおすすめします。
よく知った街並みを歩いたり、走ったり(笑)

浅草雷門前

 15キロ地点の浅草。この時点で筆者のまわりはみな、タイムうんぬんよりも完走を目指す!というランナーばかりなので、ここで一気にみなさん写真タイムです。私も、立ち止まってゆっくり写真撮影。他のランナーの方の写真も撮ってあげたりして、完全に観光気分でした。
しかしここを通り過ぎて、中間地点の富岡八幡宮あたりから脚の付け根に変化が。予想していたことですが、そろそろ脚が元気に前に進まなくなりました。今回は自己ベストを目指すわけでもなく、東京の街を満喫して無理せず楽しもう!という気持ちでいたので、子ハーフ過ぎてからは歩いたり、走ったり。想定内です(笑)

日本橋あたりからは徐々に寒くなってきて

日本橋まで来ると、もう歩いているひとばかり

 32キロあたりの日本橋付近。ここまでくると、写真をご覧のとおりほとんどの方が歩いています。もちろん、筆者も(笑)スタート時には雲ひとつないお天気でしたが、だんだん雲が多くなってきて、寒くなってきました。このあたりからランニンググローブをはめることになりました。

色んな思い出がある日比谷通りへ

東京タワーと増上寺

 35キロ~折り返して40キロ地点の日比谷通りは筆者にとって思い出深いところ。前職、前々職のオフィスやクライアントのオフィスが並んでいる通りで、それらのビルを眺め、当時の楽しかったこと、辛かったことを思い出しながらゆっくり走っていました。
すると、ちょうど御成門当たりで名前を呼ぶ声が。「あー会えて本当によかった!」と、元同僚が満面の笑みで迎えてくれました。
私も思わず笑顔。この後、ちょっと涙が出そうになりました。

あと1キロ!というところで大声援!

41キロを過ぎて丸の内へ(Photo by Michiyas Suzuki)

 あと1キロでゴール!というときに、また名前を呼ぶ声が。応援に来るとも何とも言っていなかった知人夫婦が大声で応援してくれました。しかも、1度だけでなく、しばらく歩道から並走してくれて。そして、その反対側には、所属しているランニングコミュニティの撮影隊が。
最後の最後に元気をもらって、いざ東京駅へ!

ゴール後はシャワーを浴びてゆっくりディナーへ

完走メダルとポンチョ

 6時間以上もかけて無事、制限時間内にゴールできました。ゴール後は手を洗うように促され、ブロックごとに導線が決まっており、完走メダルやポンチョ、飲み物、みかんなどを受け取りました。ゴール後に本当は写真を撮りたかったのだけど、立ち止まらないように言われていたので誰かに撮影をお願いすることもできず、そそくさと「MARUNOUCHI Bike&Run」に向かい、ゆっくりシャワーを浴びました。

完走のご褒美、うな重

 シャワー後は、筆者の半分以上のタイムで見事サブ3を達成した夫と待ち合わせて、ご褒美ディナーへ。もちろんビールもいただきました。ほっとひと安心。
速く走ることだけがマラソンじゃない、自分なりの楽しさを見つけて
仲間内では「東京マラソンを誰よりも満喫した女」と言われるほど、ゆっくりゆっくり、東京の街をのんびり観光しながらついでに走っちゃった、というような42.195キロでした。
マラソンの楽しみ方はそれぞれ。自己ベスト、サブ4、サブ3、サブ2.5を目指して日々練習する人だけがランナーではありません。筆者のように、遅くてものんびり楽しむランナーがいたっていい。
フルマラソンを、それなりの速さで走るとなると、生活もマラソン中心になります。朝早く起きて練習、週末も土日つぶしてロング走、など。他の趣味を持っていたら、そちらに時間を割くこともできなくなります。でも、体力維持や健康のためなら、そこまでしなくていいと思うのです。
東京マラソンは制限時間7時間。前半だけ頑張って、後半は歩いたり走ったりでもゴールできます。真面目に頑張っているランナーからしたら邪道かもしれません。でも、友人やボランティアさんに応援されながら、感動しながら走る、とても贅沢な1日が待っています。ぜひ、東京マラソンを走っていただきたい。よく、「日本人なら一度は富士山を登ろう」とすすめる人がいますが、筆者は言いたい。「日本人なら一度は東京マラソンを走ろう」と。
抽選の倍率が高く、なかなか当選にはハードルが高いのですが、ぜひ挑戦してほしいです。私も、そろそろフルマラソンは卒業したいと思っていましたが、東京マラソンだけはエントリーし続けようと思います。

最後に、おまけ

東京マラソン2021大会記念酒・澤乃井「東京がひとつになる日。」

文/鈴木亜希子

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP